これには鉄道には専門用語が多いのも理由だった。新聞の鉄道記事には頓珍漢丸出しが多かった。だから昔は、新聞記事は信用できないとされていた。
鉄道が登場する映画やドラマも同様だった。アラ探しでもなかろうが、通過する電車などを映す画面がバラバラもよくある。電車の、形式の違いはマシな部類、気動車だったりは当り前。犯人が自動車で逃走する場面を想像するがいい。クラウンに乗ってるかと思えば日産ノートになったり、はたまた軽自動車になったりが、鉄道ではチャンポン当り前になっていた。

大阪環状線京橋駅にて、201系
一般人には電車(EC)も客車(PC)も、気動車(DC)も見分けが付かないらしい。
頓珍漢の始まりはそのあたりから。
新聞記事に梅田貨物駅を梅田貨物区と書いていたこともあった。そんなのないってば。
大きな扱いの記事だったので、恥ずかしげもなくよく書けるよな。と思っていた。
国鉄の現業機関には、「機関区」「電車区」「客車区」などの組織がおかれていたので、勘違いしたのだろう。新大阪の近くにある宮原基地には「宮原機関区」「宮原電車区」「宮原客車区」がおかれていた。名称の変遷もあって宮原総合車両所となり、2012年には網干総合車両所に統合されて宮原支所となった。

JR宮原総合車両所。右の高架は山陽新幹線
東京の品川には国鉄時代「東京機関区」がおかれていた。しかも客車区は品川客車区、電車区は田町電車区と名前を変えていた。大阪の宮原は名前が一本なのに東京は3種類の名前とは、なぜ? 少々の疑問が湧く瞬間でもあった。
これには真実はわからないが、僕の勘では、ここという場合には「東京」を出す。その典型例。ま、名前にこだわるのが東京といえます。
客車が上等以外に「機関区」はもっと上等・重要のニュアンスもある。だから機関区だけ東京機関区。かつての国鉄は国家機関の鉄道省から公共事業体になったが、国家機関思想を引きずっていて、破綻してしもた。
最近はすくなくなった頓珍漢新聞記事だが、記者の質がアップしたからか、インターネットで調べるからか。